2026年8月(東京)クリニック経営NEXTセミナーレポート

正解のない時代に、自分だけの「問い」を持てるか

2026年8月27日(木)、東京にてNEXT Stageセミナー「新規事業と価値創造」を開催しました。NEXT Stageは、M.A.Fに5年以上継続参加し、これまでCORE Stageの内容を実践してきたメンバーが対象となる2026年からスタートしたコースです。 今回はデザイン思考・ビジョン思考の第一人者である佐宗邦威氏をゲスト講師に迎え、クリニックにおける新規事業と価値創造の本質を深く掘り下げる一日となりました。

院長自身の「新規事業」——梅岡からの実践シェア

MAF運営・予防医療・子育て支援・人材紹介・コンサルティング・事業所内保育所・ウェルネス事業——クリニック経営の傍らで複数の事業に携わってきた梅岡理事長の軌跡が、冒頭に率直にシェアされました。うまくいったものもあれば、思うように育たなかったものもある。
その両方を包み隠さず話してくれる場がNEXTらしさであり、参加者それぞれが「自分のクリニックの次の一手」を考える土台となりました

新規事業は「拡大」ではなく「深化」から始まる

新規事業というと診療科の追加や分院展開をイメージしがちですが、まず問うべきは「今の患者さんにとって、まだ提供できていない価値は何か」という問いだと語られました。既存の患者さんとの関係を深め、必要とされる領域を広げていくことが、クリニックにとって最も自然な価値創造の形であるという視点は、参加者の新規事業への向き合い方を根本から整理するものでした。

ディスカッションでは「やってみたが続かなかった事業」「想定外に患者さんから求められた取り組み」などのリアルな事例が共有され、成否を分けるのは院長の熱量だけでなく、スタッフが「自分ごと」として動けるかどうかにかかっているという結論が、各テーブルに共通して生まれていました。

「問い」から始まるビジョン思考

P&Gやソニーでの経験を経て、デザイン・イノベーションの実践を企業に届けてきた佐宗邦威氏。「今の時代は正解を探すのではなく、問いを立てる力が問われている」という言葉から講演は始まりました。VUCAと呼ばれる不確実な時代において、過去のデータや競合分析から導き出した答えはすでに陳腐化している可能性が高い。大切なのは「自分たちは何者で、誰に何を届けたいのか」というビジョンを起点に逆算する思考だと言います。

後半では、「直感と論理を往復すること」の重要性が語られ、参加者はスケッチブックと鉛筆を手にワークへ。自分のビジョンや新規事業のアイデアを「言葉」ではなく「絵」で描くという、多くの先生にとって初めての体験となりました。絵を描くことで感覚に直接アクセスし、言語化する前の段階にある直感やイメージを引き出すこの体験は、普段の診療・経営では使わない思考の回路を動かすものでした。妄想インタビューやスケッチを通じてビジョンや新規事業の考え方を整理するこれまでにない時間となり、「答えは外にあるのではなく、自分の中にある問いの精度を上げることで見えてくる」という言葉で佐宗氏は講演を締めくくられました。

<参加者の声>

西馬込あくつ耳鼻咽喉科
阿久津征利先生
イメージから何かを思い浮かべる発想がなかった。

里村クリニック
里村仁志先生
新規事業、価値創造に関するアンテナが伸びた感じしました。

いしがみ整形外科クリニック
石神等先生
ビジョン、新規の考え方が整理された!絵を描くことがこれだけ素晴らしいとは!

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