About
開業医による
開業医のための
コミュニティ
開業医のための
コミュニティ

2026年6月17日(水)、高知県に本社を構えるネッツトヨタ南国に、企業研修として4回目の訪問しました。全国からクリニック院長・スタッフが参加した今回の研修。「なぜ自動車ディーラーに?」と思われるかもしれません。
ネッツトヨタ南国は、全国トヨタ販売店(308社)の顧客満足度調査で13回日本一を獲得し、ホワイト企業大賞も受賞した異色の会社です。売っているものも価格も全国一律、差別化できる要素がほぼない業界で、なぜここだけが突出した結果を出し続けるのか。その答えは、「スタッフが輝く組織風土」にありました。クリニック経営においても、医療の質を支えるのは結局「人」です。業界は違えど、この会社が積み上げてきた知恵は、私たちに直接刺さるものでした。

研修の冒頭、長山氏よりこんな問いが投げかけられました。
「若手が仕事の悩みをAIに相談するようになったら、組織はどうなるか」
便利さと引き換えに失われるのは、先輩から後輩へと受け継がれる「自社らしさ」や「暗黙の文化」です。そしてもうひとつ、「困った時にあの人に話を聞いてもらいたい」と思われるリーダーが、職場にいなくなることへの危機感でした。AIがどれだけ発達しても、人が人に頼りたいと思う瞬間はなくならない。だからこそ、そう思われるリーダーであり続けることが、これからの組織経営で最も大切になる。この視点は、スタッフ定着に悩むクリニック経営者にとって、深く考えさせられるものでした。

採用教育担当の森氏からは、プロジェクトチーム活動の実践が紹介されました。部門を超えて自由にテーマを決め、承認も報告も解散も不要。現在20以上のチームが自走しているといいます。
ここで語られた「後輩の主体性が生まれる三つの条件」は、クリニックのスタッフ育成にそのまま置き換えられます。①自分の貢献が見えること ②リーダーが求めてくれること ③みんなが正解を知らない状況にいること。この三つが揃った場でこそ、若手は初めて「自分も動かなければ」という感覚を持てるようになる。プロジェクトチームはあくまで手段であり、大事なのは「その場を通じて何を起こしたいか」をリーダーが設計することだという整理も、シンプルながら核心をついていました。

最後に登壇された創業者・横田氏の言葉は、参加者の先生やスタッフさんの心に深く残りました。「幸せと満足を分けて考えなさい」「知識より人間力を先に育てなさい」長年にわたり人を大切にする組織をつくり続けてきた人物の言葉には、理論を超えた説得力がありました。
見えるものより見えないものを大切にすること。目標より目的を持つこと。この普遍的なメッセージは、医師として・経営者として日々忙しく走り続ける参加者の心に、立ち止まるきっかけを与えてくれました。

研修後の懇親会には、創業者の横田さんをはじめ、長山さん・森さん・窪田さんら登壇者の皆さまにも引き続きご参加いただきました。研修中には聞けなかった採用の裏側や、組織づくりにまつわるリアルなエピソードが飛び交い、テーブルを超えた対話が続きました。
今回で4回目の訪問となったネッツトヨタ南国ですが、来るたびに「見えるものが変わる」という感覚があります。昨年気づかなかったことに気づき、昨年の学びが現場でどう生きたかを持ち寄れるのも、継続参加ならではの醍醐味です。次回の開催もぜひ楽しみにしていてください。