2025年10月(東京)クリニック経営セミナーレポート

“やらないこと”を決める権限委譲のすすめ

2025年10月25日(日)、東京にて「M.A.Fクリニック経営セミナー」を開催しました。
大阪セミナーに続く今回も、“権限委譲”をテーマに、スタッフが自ら考え動く「自走する組織」をつくるための実践知を学び合いました。東京会場では今回からセミナー冒頭に1分間の瞑想を行い、心を整えるプログラムも導入しました。

1分間の瞑想から始まる「整える時間」

全員が静かに目を閉じ、呼吸と身体感覚に集中することで、普段の喧騒や思考から一度離れ、自分自身を“今ここ”に整える時間が設けられました。
「なぜ瞑想を取り入れるのか」という問いに対し、「頭と心をクリアにし、今日ここで学ぶことを最大限自分に取り入れてほしい」との想いが語られました。この静けさから会場全体に前向きな一体感が生まれ、参加者同士の安心感もぐっと高まったと感じました。

実際の現場で起きた“委譲”のリアル

クリニックで多くの院長先生は「忙しいから自分でやる」「スタッフが育つまで待てない」とつい全てを抱え込んでしまいがちです。しかし今回、主宰の梅岡からは実際に知人の院長が突然倒れ、業務が完全にストップしてしまった“リアルなケース”も共有されました。

・「すべてを自分で抱え込む」ことのリスク
・万が一の際に誰も業務が分からず混乱する現場の怖さ
・日常からの“委譲・業務の見える化”の大切さ

こうした具体的なエピソードを通じて、「今のうちから“やらないこと”を決めておく重要性」が、参加者一人ひとりの心に響いたようでした。

「やらないことリスト」と“手放す勇気”

「任せたくても不安」「失敗されたら困る」という気持ちを乗り越え、本気で“やらないこと”を決め、手放す勇気を持つこと。「優先事項」ではなく「後先事項」を作ることが今回のセミナーの大きなテーマのひとつとなりました。

・自分しかできないことは何か
・本当は手放せる業務はどれか
・「やらないことリスト」を作ってみる
・失敗や遠回りも“育成”の一部と捉える

実際に資料に書き出し、仲間と共有することで、「今日から一つ“やめること”を決める」と前向きなディスカッションがあちこちから起こりました。

「ビジョンマップで“見える化”し、組織の迷いを一つにする」

西崎さんは、組織の本音と建前、スタッフの自走を促す土台として「ビジョンマップ」を使った“見える化”の重要性を紹介しました。

・「スタッフ全員が“今自分たちがどこに向かっているのか”を言葉や図で共有できるように、会社の“ビジョンマップ”を必ず作る」
・「ビジョンマップは一方的な押し付けではなく、スタッフみんなと一緒に“これからどんな組織にしたい?”“どんな未来を目指したい?”と話し合いながら作ることで意味を持つ」
・「これを壁に貼ったり、会議のたびに全員で確認したりすることで、“今の行動はこのビジョンに近づいているか?”を振り返る習慣が生まれた」

実際、西崎さんの会社でも経営者(院長)だけがビジョンを持っていても、スタッフに伝わらなければ意味がない。だから全員で“可視化”する場を設けているという実践例が紹介されました。「ビジョンマップを全員で作ったことで、メンバーが“自分ごと”として行動を考えるようになり、迷った時も“この地図に立ち返る”習慣ができた」と、自走型組織の要になるノウハウとして、参加者に強く推奨されていました。

ビジョンマップは、“理想を言語化して貼るだけ”の飾りではなく、「全員参加型」で作り、「今やるべきことの判断基準」「コミュニケーションの起点」として権限委譲・自走化を加速させる実践的なツールである。西崎さんのメッセージは、参加院長・幹部スタッフにも新たなヒントとなったと感じました。

参加者の声

御所西ひらはらクリニック
平原直樹先生
「西崎さんの話、みなさんと議論することでいろいろアイデア考えをいただけました。うちに向いていたネガティブな思考もやや改善したように思います。」

沢岻美奈子女性医療クリニック
沢岻美奈子先生
「西崎康平さんのsnsを上手に利用した、スタッフのモチベーションも上がる仕組みは導入したいアイデアもありました。」

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