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2026年4月26日、東京にてMAFクリニック経営EH向上セミナー(COREステージ)を開催しました。今回のテーマは「EH(Employee Happiness)向上」。従来のES(従業員満足度)から、より本質的な「従業員幸福度」へとテーマを刷新しました。これは会員の先生方から「満足よりも幸福の方がクリニックにとって本質的ではないか」というご提案をきっかけに生まれた変化です。今回も、毎回取り上げるテーマのブラッシュアップを重ね、新しい学びを先生方へお届けしました。

従来、ESを高める取り組みとして給与・休暇・人間関係といった衛生要因の整備が中心になりがちです。しかしハーズバーグの二要因理論が示すように、不満をなくしても幸福感は生まれません。今回のセミナーでは、「外発的動機づけから内発的動機づけへ」というシフトを、実践事例を交えながら掘り下げました。
セルフチャレンジのシェアでは、AIカルテ入力の導入報告がありました。先生方から、スタッフの心理的抵抗を「AIに比較される」視点から「AIを使いこなす」主体的な視点へと変換することで、現場の協力を引き出せたという実践が共有されました。また、従業員アンケートをAIと壁打ちしながら分析することで、感情的に揺さぶられずに離職サインを早期察知できたという事例も印象的でした。

主宰の梅岡からは、開業18年を振り返る体験が語られました。開業初期に近隣の医師コミュニティとの関係を損ねた過去から、地道な信頼の再構築を経て、現在では大学教授や地域の先生方との良好なネットワークを築くに至った経緯が率直に共有されました。「奪う・支配する」から「調和する」へという生き方の変化が、スタッフとの関係においても同じ原理だと語られました。
スタッフが「イキイキとしている瞬間」をテーマにしたディスカッションでは、条件面を整えても離職は減らないという共通認識が生まれました。行き着いた答えは「いかにスタッフの声を聞き続けるか」。月1回のリーダーによる1on1で聞くことに徹することが、満足度・定着率の向上につながっているという実践が共有されました。

MAFでは、会員の先生方による20分プレゼンをセミナーの柱の一つとしています。今回は埼玉県「いしがみ整形外科クリニック」の石神先生が登壇され、eNPSマイナス40点という現実と向き合った経験、そして1年間でプラス38点まで回復させた具体的な取り組みが語られました。
石神先生が一貫して伝えたのは、「EHはトップが与えるものではなく、スタッフが自ら作れるよう環境・文化・教育を整えるもの」という考え方です。幸せになる方法・目標設定・コミュニケーション能力まで、学校や前職では学べなかったことを職場で育む。そのような組織設計が、スタッフの幸福と組織の成長を同時に実現していました。

今回のゲスト講師は、マーサージャパン元代表取締役社長やカルチュア・コンビニエンス・クラブCOOなど、通算21年間にわたって複数の企業トップを歴任してきた組織開発のプロフェッショナル・柴田励司氏。業種を問わず300名以上のリーダーを見てきた柴田氏だからこそ語れる、クリニック経営にも直結するリーダーシップの本質が届けられました。
印象的だったのはリーダーの内側の状態についてです。不機嫌な院長のもとでは、スタッフも萎縮し、EHは育ちません。逆に、穏やかで表情豊かな院長のもとでは、スタッフは安心して意見を出せるようになる。言葉よりも、表情やうなずきといった非言語のサインが、実はスタッフの心に最も深く届いているといいます。
「リーダーは素のままでやるものではなく、その場で求められる自分を意識して演じることが大切」という言葉は、日々の診療と経営を同時にこなす開業医の先生方にとって、明日からすぐに実践できるヒントとして響いたと感じています。

たかねファミリークリニック
高根紘希先生
はじめてEHについてここまで没頭して考えられました。今まで大切にしないといけないとおもっていたバラバラのことが、EHに共通して必要なことと分かり、スタッフにできることをより明確にしていけそうです。ありがとうございました。
里村医院
里村元先生
EHは与えるものではなく、作るものという事がとても印象的でした。
院長が不機嫌だと伝染するので、なるべく穏やかな気持ちでいれるようにしたいと思いました。
アカラクリニック
福田真先生
幸福は与えるものではなく、場を整えてスタッフ自ら掴んでもらうことだと学んだ。
また、定期的にMAFの皆様と交流することで意識が高まります。