63. マスター・マインド・グループ

 先日、4冊目の拙著『ドクターの働き方改革28メソッド』の出版記念講演会を開催したことをお伝えしましたが、その会場に集まってくださった先生方とお会いして感じることは、これは、M.A.Fに参加してくださる先生方とお会いしても思うことなのですが、そこに集まる方はクリニックの運営がうまくいかなくて困っていらしている方ではなく、どちらかと言うと成功組、立派にご自分のクリニックを運営なさっていて、さらに高みを目指そうとしている先生方がほとんどだということです。

 ですから、私は例えば今回の講演会なら、業務に追われる先生方にうまい時間の使い方をお話ししようとか、他の講演会では、クリニック経営をより早く軌道に乗せる方法をお話ししようとか、少しでも集まってくださった皆さんのお役に立ちたいとの想いで公演させていただく予定でその場に臨んでいるのですが、終わってみれば、皆さんから、私自身がさらに研さんを積んでより高みを目指そうというパワーをいただくことのほうが大きいように感じます。

 『思考は現実化する』という有名な本を書いた、ナポレオン・ヒル博士というアメリカの成功哲学者は、「マスター・マインド・グループ」という概念を提唱しました。「マスター・マインド・グループ」とは、2人以上の、同じような願望や目標を持った人間の集まりのことであり、お互いの間で行き交う、波長の合った思考のバイブレーションの増大のことでもあります。人生の成功者についてナポレオン・ヒル博士は、極端な言い方をすれば「マスター・マインド・グループ」の協力なしで成功し得た人はいないとさえ言っています。博士は、かの有名な大富豪、アメリカの実業家・アンドリュー・カーネギー氏の依頼を受けて過去に成功した人の分析を行ったのですが、その結果は、成功者たちが意識していたか、していないかに関わらず、共通して成功のために「マスター・マインド・グループ」を活用していたことが分かったそうです。ですから、逆に「マスター・マインド・グループ」を正しく選別し、有効に活用すれば、人の願望や目標は、気づかないうちに、ほぼ半分は達成されたも同様だと言えると思うのです。

 つまり、成功のカギは「マスター・マインド・グループ」が握っているとも言えます。複数の人たちが、完全な調和を基に、独立した各人がお互いの持つ知識や経験を共有し、互いに学習して、目的・目標を達成するために構築された頭脳集団「マスター・マインド・グループ」を形成することができれば、各々は、個人の能力を超えた成功を得られるというわけです。

 なぜ、こんなお話をしたかと言いますと、講演会に集まってくださった先生方やM.A.Fのメンバーの先生方のことを思うと、この「マスター・マインド・グループ」というワードが私の心の中に浮かびます。そして、まさに私にとっての「マスター・マインド・グループ」とも言える先生方が、今の私を支えてくださっていることを実感します。

 ところで、「マスター・マインド・グループ」についてもう少しお話ししますと、「マスター・マインド・グループ」には大きく二つの力があります。

一つは経済的な面、もう一つは心理的な面です。 経済的な面は直接的なので皆さんも容易に想像できると思いますが、皆さんの考えや想いを理解して共有し、同じ想いで動いてくれ、助言や相談を請うことのできる友人、援助を惜しまない友人、こうした友人の協力が、大きな成功の基礎固めとなります。 こうした友人を得ることで経済的な成功を収めることができるということです。

 そして、もう一つの心理的な面は、少し分かりにくいかもしれませんが、ナポレオン・ヒル博士は「二つの心が一つにまとまるとき、見ることも触ることもできないもう一つの心、第三の心が生まれる」と言っています。 人それぞれの異なる気持ちを一致させ、調和させることはもとより簡単なことではありません。 しかし、それができたときの効果の大きさを考えれば、努力する価値のあることだと考えます。おのれの目標を実現するための計画を具体的かつ明確で、ある程度以上の規模を持つものとして構築できれば、必ず友人が集まってきて協力してくれると私は信じています。

 皆さんもご自身の目標がしっかりと定まったら、次は「マスター・マインド・グループ」を構築することを考えてみてはいかがでしょうか。もし、それが難しければ、共通の想いを見出せるグループに参加してみるのも一つの方法と考えます。