62. ドクターのキャリア

 ここのところ忙しくて、コラムの執筆がなかなかできなかったのですが、先日、私の4冊目の書籍『ドクターの働き方改革28メソッド』が出版され、11月25日には東京で出版記念講演会を開くことができました。クリニックのより一層の発展とご自身の成功を考える志高い先生方にたくさん集まっていただき、本当に幸せ者だと思いました。これも、集まってくださった皆さまをはじめ、私を支えてくれるスタッフ、「医療を通して日本を明るくする」ために共に活動してくれるM.AFのメンバーの先生方、そして私の生き方を理解してくれる家族のおかげです。

また、現在、5冊目の本の出版に向けて原稿をライティング中でもあります。『ドクターの働き方改革28メソッド』にも書き、昨日の講演会でもお話ししたのですが、このコラムではドクターのキャリアについて私の考えをお話ししたいと思います。

自分自身を顧みたとき、勤務医だった自分と、開業医となって分院も開設し、経営者としての役割の比重が重くなった現在の自分とでは、ドクターのキャリアということに関する捉え方が大きく変化していることに気が付きます。

勤務医だったころの自分は、ドクターのキャリアと言うと、アメリカの大学に留学して先進医療を学ぶだとか、大学附属病院だったら教授や部長になるだとか、出向先の市民病院だったら医長や科長になるだとか、医師としての仕事に関する内容しかイメージできていないと言いますか、イメージしていませんでした。

 しかし、開業して開業医であるとともに経営者となったとき、ふと、自分の人生について改めて考えてみると、医師も人間である以上、仕事以外にもたくさんの経験をし、たくさん学び、たくさん遊び、自分らしい人生を歩んでいいのではないか‥‥と思ったのです。つまり、キャリアとは、仕事もプライベートもすべて含めて「生き方」そのものを指していると思ったのです。

ですから、キャリアを積むということは、医師という仕事の経験を積むというだけではなく、その仕事に取り組むプロセスの中で、身につけていく技術・知識・経験に加えて、人間性を磨いていくこと、そしてプライベートも含めた自分自身の生き方を磨いていくことではないかと考えたのです。

 とはいえ、開業医も勤務医もドクターは忙しい‥‥とても、自分や家族の時間を持つことは難しいのが実際です。そこで重要なのが自分の時間管理だという考えに行きつきました。そして、バケツにできるだけたくさんの石を入れるためは、大きい石から先に入れて、徐々に小さいものを入れるようにすれば、最終的にはたくさん入るように、時間についても、まとまって時間をかけなければならない仕事や行事を先にスケジューリングして、後から隙間を埋めるように時間のかからない仕事などを入れていけば、効率的に時間を使えるのではないでしょうか。

 私も1年の初めには1年間のやることをリストアップして周囲に公表しますが、仕事とプライベートを分けることなく、すべてを一緒にリストアップし、例えば、趣味のマラソンやトライアスロン参加も、海外への家族旅行も職場の全スタッフにも分かるようにしています。
「院長ったら、また、代診をたててプライベートで出かけてる」と思われるのはよくない‥‥との考えもあると思いますが、そうやって、私がリフレッシュして帰ってきてクリニック運営に対して集中して取り組むことで、収益が上がりクリニックがより一層発展し、結果としてスタッフに待遇面で還元できれば、それでいいのではないかと私は考えます。

 逆に、私はスタッフに対しても有給休暇は有意義に全部使ってほしいと思っています。何も、休まず毎日出勤することがベストなわけではなく、心も体も常に前向きに仕事に向かえる状態で出勤してほしいと思っています。クリニックは、何かしら身体に不調を抱えた患者さんがいらっしゃる場所です。そこで、働く医師もスタッフも仕事に疲弊した状態では、良い医療は提供できません。そこで働く者は、少しでも体調の悪い患者さんに明るい空気を伝えられるよう、元気で明るく、思いやりを持っていなければなりません。そんなクリニックが患者さんに支持されるクリニックだと考えます。

 私が持っている時間管理に関するノウハウは、今回出版された本にも書いてありますが、興味をお持ちの方は是非M.A.Fの集まりを覗いてみてください。また、梅華会のクリニック見学も受け付けています。

 皆さんもご自身のキャリアについて、もう一度考えてみてはいかがでしょうか。