60. 災害時の対応

 2018年は1月に起こった北陸地方の豪雪による被害に始まって、日本中に災害が発生しています。少し前に初めて聞いた激甚災害という言葉も近頃では、珍しくなくなりました。

私のクリニックがある近畿地方でも、2018年もあと3か月を残す現在までに、6月の大阪府北部地震、7月の西日本豪雨、8月の台風21号、9月の台風24号‥‥と、ライフラインが止まってしまう事態がここに来て毎月のように起こっています。また、9月の北海道胆振東部地震では、電気・水道・公共交通機関がストップ、基幹病院でさえ救急患者をすぐには受け入れられない状態だったと聞きます。

 そして8月の台風21号の関西上陸では、私のクリニックでも複数のスタッフが通勤電車の中に閉じ込められ、出勤できない‥‥という事態が起きました。こんな時、どうすればいいのか‥‥想定外と言われる事象が次々と起こっている現在、対応をその都度考えればよいというレベルではないと思います。そこで梅華会では、私と経営幹部たちは、さっそく災害対応マニュアルの作成に乗り出しました。その基本として、来院される患者さんはもとより、私のクリニックで働くスタッフの安全を第一に考えました。

 今このブログを見てくださっている、開業医の皆さんやこれから開業されようとしている皆さんにも、他人ごとではない現実的な問題であると思うので、参考までに梅華会で作成したマニュアルを共有しようと思います。

 

 まず、私の法人には、耳鼻咽喉科として苦楽園、阪神西宮、芦屋、武庫之荘の4院、小児科・アレルギー科として神戸本山、わくわく、エビスタ(11月開院予定)の3院、合わせて7院がありますが、公共交通機関の運行に支障が出るような災害が起こった場合、休診するかどうかは法人全体として判断するのではなく、各院の院長が経営企画リーダーと連絡協議のうえ、各院ごとに決定することにしました。

休診を決める判断基準は、「公共交通機関の運休、あるいは間引き運転、振り替え輸送等で1時間以上の大幅な遅延が見込まれ、診療を回すスタッフの最低人数が確保できるかどうか」です。具体的には、午前6時30分において、天候、発令されている警報、公共交通機関の運行状況を鑑みて、スタッフの最低人員が確保できないと判断した場合は、全日休診を決定します。午前6時30分での判断で休診が決定された場合は、各院の院長が各院のリーダーに連絡、リーダーから部下であるスタッフへ個別に連絡することとしました。

また、午前中診療を開始していても、正午の段階で天候が悪化、警報の発令、公共交通機関の運休あるいは遅延等が見込まれる場合は、午後の診察を休診にするかどうかを院長と経営企画リーダーが連絡をとり合って判断します。このほか、地震の発生等、緊急な危険が迫った場合は、その時点で判断します。この際に帰宅するスタッフの帰宅方法については、タクシーの利用や宿泊等、基本的には状況に応じて各自が判断し決定するものとしました。

そして、院長と経営企画リーダー間の休診に関する決定については、経営企画リーダーがまとめて理事長である私に報告するものとしました。合わせて、小児科の健診・予防接種等で予約をいただいている患者さんには直接連絡、これから来院されようとする予約のない患者さんに対しては、ホームページで情報を発信することとしました。私のクリニックではホームページに混雑状況等が載っているので、比較的ホームページを見てくださる患者さんが多いです。そこで、ホームページで情報を発信することで患者さんへの情報提供はかなり行き渡ると考えているのですが、それでも、日ごろから、急な休診のお知らせはホームページで発信します‥‥と言ったお話を患者さんに周知しておく必要があると思います。

以上が大まかな災害対応マニュアルです。

何もこれがベストというわけではなく、より良い案をお持ちの方は是非お教えいただければ幸いですし、ご一緒により良い案を考え合うことも必要かと思っています。そのためにも皆さんが、MAFの活動に興味をお持ちになり参加してくだされば、私にとってこんな幸せなことはありません。