56. セミナーで学んだことを実践する『七つの習慣』セミナー⑧

さて、人生成功のための七つの習慣の最後は第七の習慣「刃を砥ぐ」です。

『七つの習慣』の中では木こりの話が引用されています。木こりが木を切るために砥いでない刃のまま与えられた時間いっぱい苦労しながら木を切るのがいいか、あるいは、与えられた時間の8割で刃を砥いで、残りの2割の時間で楽に木を切るのがいいのか……という話です。当然後者の方が効率的ということになりますが、事前準備の重要さを物語っている話だと思います。実は、この事前準備である第七の習慣とは、①肉体、②精神、③知性、④社会・情緒――の人生の四つの側面をバランス良く磨くことで、今までの習慣のすべてを支えているとも言っています。

 ①肉体とは、食事と休養と運動に取り組み、主体性を発揮できる高いエネルギーを手に入れることです。②精神とは、揺るぎのない穏やかで明朗な心を持つことです。③知性とは、読書をはじめとして先人たちの知恵や知識や思考法を学び、適切なアウトプットによって知的能力をアップすることです。そして④社会・情緒とは、社会における良好な人間関係を築くことで、情緒的な安定を得ることです。対外的な安定は情緒的な安定と深く結びついているからです。

 ①の食事と休養と運動について見てみると、私自身が生活習慣を見直すことにした直接の原因は、食生活の乱れや運動不足で体重が増加、いわゆる生活習慣病に脚を踏み入れたことによります。医師として人々の健康を預かっている自分が、かつては野球、テニスに汗を流していた自分が、こんなことではいけないと、食生活を見直し、ランニングをはじめたのです。実は運動習慣があった若い頃もランニングは大嫌いだったのですが、皆さんご存知のとおり今では趣味となって、ウルトラマラソンやアイアンマンレースに挑戦するほどになってしまいました。食事面では、大好きだったジャンクフードはめったに口にすることはなくなり野菜を中心にし、野菜ソムリエの資格も取得したほどです。定期的にファスティングも採り入れています。

休養に関しては、私は睡眠をとらないと頭も回らなくなるたちなので、睡眠時間はしっかり確保しています。そして、午後の昼休みには昼寝をするようにしています。この昼寝はほんの10分、15分でも体の細胞の一つひとつが再生したようなすっきり感が得られ、午後の活動が充実したものとなると感じます。食生活や運動習慣は人それぞれ、私のやり方がベストというわけではありませんが、昼寝の習慣は皆さんにお勧めしたいと思います。

そして、生活習慣の見直しは②の揺るぎのない穏やかで明朗な心を持つことに繋がります。人々の心身の健康を預かるドクターはまず自身の心身が健康でなければなりません。

次に③の知性ですが、自身が成長して何かしら社会貢献するためにも、組織を成功に導くためにも自分を磨くことがとても重要だと思っています。組織の能力はトップの能力以上にはならないという話もあるくらいです。第七の習慣の刃を砥ぐことを一番分かりやすく表しているは、このことだと思います。そして、自分の能力を高めるためには外に出て自分自身の足らないところを知ることが大事です。クリニックの院長に収まってしまうと、アドバイスをくれたり、忠告してくれる人がいなくなってしまうことが多いのではないでしょうか。

 習慣とされているドクターも多い「読書」も刃を研ぐ行為の一つに当たると思いますが、私は一歩進んで外に出る、先達のセミナーや講演会に参加することをお勧めしたいと思うのです。その中でメンターとも呼べる講師と出会うことが自身の刃を砥ぐことに繋がるし、そこでの出会いが財産となります。自分の年収は周りにいる仲良し8人の年収平均と同じだという話もありますが、これは何も年収に限らず能力もしかりと思うのです。ですから、どれだけ自分の周りに志高い人を置いておけるか、能力の高い人を置いておけるか、目指すような人と出会えるか……このことこそ己の刃を砥ぐことに繋がると思うのです。

 ④の社会・情緒、対外的な安定を図ることについては、自分が志高い人と交わることとともに、クリニックのスタッフにも刃を砥ぐことを求めています。院長である私が一人だけ刃を砥いだところで、組織の力はそこそこしかアップしないのではないでしょうか。患者さんと日々接するスタッフが刃を砥ぐことでクリニック全体の力がアップすると思うのです。

そこで、梅華会では、スタッフには年に4冊の課題図書を選んで、感想文を書くことを義務付けています。課題図書の選定はリーダーに任せています。『夢をかなえるゾウ』シリーズや、福島正信氏、喜多川泰氏などの物語仕立ての読書経験の浅いスタッフにも読みやすい図書が選ばれているようです。外部講師による講演会が企画されている時期には、その講師が著した図書が選ばれることもあります。この課題図書のほか、クリニック内に自由に読めるライブラリーを設置し、芸能人が書いた啓発本など気軽に読める図書が置いてあります。日頃の読書習慣が少ない若いスタッフに読書を習慣にしてほしいという私の願いもそこにはあります。

 また、スタッフ全員に各自が自分で選んだセミナーに参加してもらっています。もちろん、参加費用は法人持ちです。参加するセミナーの内容は自身の啓発のためであったり、クリニック経営に役立ちそうなものならなんでもOK、ジャンルは問いません。実際にスタッフがどのようなセミナーを選ぶかというと、看護師の手技などのテクニカルな講習会より、ビジネス系のセミナーに参加するスタッフが多く、そこが梅華会らしいなと感じています。

 このように、私自身のために参加した七つの習慣セミナーは、法人の人材教育としても採り入れるようになりました。そのことが現在梅華会が順調に発展していることに大いに貢献していると確信しています。